喜多方 アート×教育in蔵 開催!


喜多方の自然・文化・人が、アートと教育と交わってできたことを振り返り、これからを考える企画「喜多方 アート×教育」が開催、盛況の中で終了しました。

11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)の3日間に及んだ活動を紹介します。


11月3日(金・祝)午後、遠く東京・茨城から喜多方に到着した大学生たちにより、会場の石蔵が展示空間に形作られていきました。


会場の石蔵は、喜多方の米を貯蔵していた歴史のある建物です。


17:30、会場を「食堂つきとおひさま」に移動しての座談会。
大学の垣根を越え、学生と地元からの参加者を交えて交流をしました。


翌日に振る舞うおむすびを握りながら笑顔の絶えない時間となりました。


11月4日(土)、1日限定の駅前マルシェが石蔵の前で開催!振る舞いおむすび200個も大人気!
10時の開場と共にたくさんの人で石蔵周辺が賑わいました。


前日の座談会でおむすびを握る心を動画で伝えてくれた笑むすび∞の山田さんのおむすび。
心のこもったおむすびでマルシェにも出店!


蔵の中では各ゼミの見応えのある展示を発表。最深部にはアーティスト大岡さんによるインスタレーション作品「記憶の音」が設置されました。


大岡さんは、喜多方の町の記憶を音で再現。体験型のサウンドインスタレーションは期間中の喜多方の音もとりこみながら変化していきました。


4日午前のWSは雄国根曲り竹細工保存会の佐々木さんを講師に、「竹かご四海波:しかいなみ」作りに挑戦!


小学生から年配の方まで机を並べて手仕事、悪戦苦闘しながら完成したカゴを大切に持ち帰っていました。


4日午後のWSは「ほうき作り」。喜多方で育てたほうき草を材料に、現職のほうき職人の福島さんにも講師に加わっていただき、始まったWSは飛び入りの参加者も含めると50人近く!各地でほうき作りのWSをされている宮原先生も驚く盛況ぶりでした!


喜多方第一中学校からは学生が多数参加。学校でもほうき作りに挑戦されるそうです。


17:30、会場を大和川酒蔵北方風土館に移して、3つのゼミの報告会がスタート。
まずは、稲垣先生から高郷を舞台に展開してきた「高郷プロジェクト」の活動を紹介。地域のエピソードを調べる中で、様々な出会いや試みが生まれてきています。法政大学国際文化学部の学生は在学中に必ず海外への留学を体験しているそうで、稲垣先生のアートを介したコミュニケーションを目にしたり一緒に行動してきたことが彼らの地力となっているように感じました。


原先生からは「自然に還ることに豊かさがある」をコンセプトに展開してきた「back to japan」の活動を紹介。《漆の器を森で使おう大作戦》では雪山に登り漆器で珈琲を飲む体験を提案。漆器の優しい口当たりを実際に楽しむ試みを長期に実施しています。調査、ディスカッションを通して得た手応えを、遊びを通して新しい価値を創造していく試みは今も続いています。


宮原先生は、「地の食・地の器/旅をする漆の器/かしだしっき」の活動を紹介。喜多方の食や工芸を調査する流れで生まれた漆器のセットは、今も喜多方の多くの場面に貸し出され活躍しています。そして、喜多方での経験を基に、木曽で「かしだしっき・木曽バージョン」が生まれたとのうれしいご報告をいただきました。

学生の中には喜多方の作り手と交流したことをきっかけに、卒業後に会津に移住した方や職人の道を歩んでいる方もいらっしゃいます。長期にわたる活動を振り返る中で、それぞれの道に進んでいる彼、彼女らの今を聞くことができたことが印象深いです。


その後のフォーラムは、参加者全員で円となり開始。受け入れ側の苦労話や、先生方の想い、学生の率直な喜多方への感想などが様々に交錯しました。


交流会では喜多方の料理人が腕をふるった料理が「かしだしっき」に盛り付けられ並びました。


法政大学の学生による、ライブパフォーマンスも!


最終日の5日(日)、WS「拭き漆体験・石器作り」。宮原先生の漆についての説明に、参加者は聞き入っていました。


漆にかぶれないように注意を払いながら、木地に塗った漆を綺麗に拭き取り乾燥させます。今回は体験ということで、1回だけの行程でしたが、完成までには更に4回塗り重ねていきます。参加者の手元に届くまでには時間がかかりますが、貴重な体験となりました。


合わせて行われた「back to japan」のコンセプトから生まれた「石器作り」WS。前日に喜多方の河原で拾ってきた石を、「ひたすら砥石で砥ぐ」という行為にハマる方が続出!まさに自然に還る時間でした。


「back to japan」といえば、漆器でコーヒー(笑)。休憩時間には原先生が入れてくださったコーヒーが振舞われました。


最後の企画、法政大学稲垣ゼミによるWS「ラジオ体操第3」。
稲垣ゼミでは今年、タイとイタリアでラジオ体操に関するワークショップを開催しており、それらに続く企画の場に喜多方が!


ゼミ生から提案されたのは「倍速ラジオ体操」「ゆっくりラジオ体操」「歩きながらラジオ体操」。参加者は全てを実践し、体感を基に導き出された喜多方のラジオ体操は…。
「歩きながらラジオ体操」となりました!!
喜多方の新たなムーブメントになる!?


全ての企画を終え、石蔵にはいつもの静けさが戻ってきました。
またこの空間が賑わうことを楽しみにしています。

今回の企画を通して、喜多方の魅力に着目してきたアーティストや学生たちの活動が長年の積み重ねの中で熟成されてきていることを実感、新たなステージに向かっていく姿が見えてきています。